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1999年12月分
99/12/31
--------多摩センター駅前のウェンディーズで書いている。
いつも通り折りたたみ自転車で公園めぐりをひとしきりしたあと、トイレを借りに入ったゲームセンターを出て気がついた。自転車を柵にワイヤーでくくってあるのだが、それをとめている南京錠の鍵がない。
そういえば先日財布をなくしたときに一緒になくしたのだ。予備はあるのだが、それを持ってくるのを忘れた。不注意が連鎖している。５分間茫然とした後、私の頭脳コンピュータがはじき出した答えは、「すぐそこに見えるイトーヨーカドーでのこぎりを買ってきてワイヤーを切る」というシンプルなものだった。
駅前で自転車のワイヤーを切る男。あやしさ爆発だ。小さな子供がギャラリーについたりもした。
５分ほどギコギコやって、切り口を見た私に浮かんできた言葉は、「ベリー、キレテナーイ」という安全カミソリのコマーシャルのコピーだった。思った以上に切れない。早くも手が痛い。
所要時間約50分、やっと切断できたときには、ほんのり感動すらしてしまった。
本当は健康ランドに泊まる予定だったのだが、気が滅入ったのでもう帰ります。
99/12/30
--------アメ横に行き、うまい棒を買ってきた。
企画参加者のあてはほとんどないのだが、見切り発車である。
味の内わけは以下の通り。チーズ味…150本 サラミ味…180本 ピザ味…150本 めんたい味…150本
とんかつソース味…120本 たこやき味…150本 やさいサラダ味…180本
テリヤキバーガー味…150本 コーンポタージュ味…150本 チョコ味…180本
キャラメル味…180本 ココア味…180本 さきいか味…90本以上、合計2010本。行った店では30本単位でしか買えなかったので、10本の半端が出た。これは記念の保存用として保管しておくつもりだ。
当然だが、かなりの体積になるので、配送を頼んできた。元日にはうまい棒がびっしり詰まったダンボール箱が２つ届くことになっている。
まずはピラミッド状に積み重ねてみるところからはじめてみる。
99/12/29
--------「うまい棒」というお菓子をご存知だろうか。１つ10円で買える棒状のコーンスナック菓子だ。
いわゆる駄菓子というやつで、私も子供の頃は少ない小遣いをどうやって有効に使うか考えながら買って食べた覚えがある。
今年の正月は思いつきで山手線を歩いて一周したように、一年のはじめには無駄な努力をしてみたい。そこで2000年を前に考えたのが「うまい棒2000」というイベントだ。名前から察しがつくと思うが、志ある者が集い、2000本のうまい棒をひたすら食べるという企画である。
周囲の友人に参加を呼びかけてみたのだが、すこぶる評判が悪い。ほとんど誰にも相手にされていない状態だ。うまい棒をこころゆくまで食べるというのは多くの人が子供の頃に抱いていた夢だと思うのだが。
量が多過ぎるということに気づいていても、まだ気づいていないふりをしていたい。
99/12/28
--------………財布なくしました。完璧に自分の不注意が原因です。
内容は、現金こそそれほど多くはなかったものの、銀行のキャッシャカード(すぐ止めました)・買ったばかりの定期など、豪華ラインナップ。相当ブルーです。
だが、こういう逆境のときこそ、人間性の真価が問われるというもの。不運にめげず、今日のコラムです。------
取引先の人が私が持ってる時計と同じ物をしていた。私 「あ、その時計、私もおんなじの持ってますよ」
先方「そうなんですかー、これ、カノジョからもらったんですよ」
沈黙第一波。何秒か経った後、
私 「そうですか…。私は自分で買いました…」
沈黙第二波。自ら波を増幅させてしまった。こんな出来事は記憶から抹消してしまいたいのだが、その方から来年のカレンダーが送られてきて思い出してしまった。こんなカレンダーを飾ってしまったら、見るたびにこのことを思い出してしまい、１年をブルーな気持ちで送らなくてはならない。
実に趣味のいいデザインのカレンダーであることが、かえって問題を根深くしている。
------誰か俺の人間性を判定してくれ。
そして馬鹿だと言ってくれ。
99/12/27
--------うすうす感じていて気になっていたのだが、最近、コラムの下ネタ率が高い。これまでのコラムを月別に、自分内部の判定基準で下ネタ率を出してみた。
５月…3.2％ ６月…3.3％ ７月…22.6％ ８月…9.7％
９月…6.7％ 10月…16.7％ 11月…20.0％ 12月…30.8％やはりそうか。特に、10月からの伸びがめざましい。
それにしても、３割以上が下ネタというのはまずい。下ネタが悪いとは思わないが、依存率が高過ぎる。これからは少し自粛しよう。そんな私が自粛前に、インターネットを通じて全人類に送りたいメッセージ。
「心配ないさ 人は誰でも うんこジェネレーター」自粛できるかなー。
99/12/26
--------昨日は更新してから腹をこわして寝てました。ストマックエイク・クリスマス。
ちょっとおもしろい話を聞いたりしたとき、さっと簡単なメモをとってあとからコラムに書いたりすることがある。
今、手元にあるメモには、「横山ノック知事、自慰を表明」と書いてある。先日の朝、ラジオで横山ノックが辞意を表明したとのニュースを聞いてとったメモだ。
辞意と自慰。こんなだじゃれでコラムをひとつ書こうなどと考えていたのか、私は。バカを言うのもほどほどにしてほしい。だが、出勤前のあわただしい朝の貴重な時間、「自慰」とちゃんと漢字でメモをとる自分のことは評価したい。
真 99/12/25
-----------この文を書いている現在、1999年12月24日、午後７時58分。
翌日分のコラムを前夜にアップするという、いつも通りの行動をしている。昨日の先行アップはフェイクである。急遽私用なんて入らない。
自分でも、誰を何の目的でだまそうとしたのかはわからない。だがとにかく、上司の麻雀の誘いを断ってまで、こうして部屋に閉じこもる僕がここにいる。これをアップしたら、般若心経の朗読会だ。主催者は私、参加者も私。
暗いと不平を言うよりも 進んで灯りをともしましょう
99/12/25 (明日12月24日の夜は急遽私用が入り、更新できないので先行アップです。でへ。)
--------ブーブークッションの研究に余念がない。
様々な座り方を試し、かなり理想に近い音色が出せるようになってきた。リズムも自在に刻めるようになり、ビート感あふれる放屁をマスターしつつある。練習を繰り返してきた成果だろう、クッションの音なのか、自分の肛門が発している音なのか、区別がつかなくなってくるまでにシンクロ率が高まっている。
クッションは輸入物らしく、本体に「Whoopee Cushion」と書いてある。
ウォーピークッション？ 外人はウォーとかいう音がするのか。あるいは「フーピー」か。ええいままよと英和辞典を引くと、ちゃんと「Whoopee Cushion」で載っているからすごい。
【押すと放屁に似た音を出すゴム製の袋】。客観的だ。だがよく読むと、訳語としては「プープークッション」との記載。
僕としては、子供用という感じの響き。大人の屁は「ブー｣、子供の屁は｢プー」がそれぞれスタンダードだと思う。
99/12/24
--------DA PUMPに、ISSAという人がいる。
これはどうも小林一茶からもらった本名らしい。テレビで見たのだが、「弱いものとかを句に詠んだじゃないですか、小林一茶さんって。それで両親がつけたらしいんですよ」と、本人談。
ではここで、小林ISSAさんの句を紹介しよう。
・ すずめのKO そこのKEそこのKE おumaが通る
・ めdeたさも CHU-くらいなり おらGA春
・ Ya!せがえる 負けるなISSA cocoに@ri事典で調べたら「晩年は逆境のうちに死んだ」とある。
でももっとよく調べたら、64歳のときに32歳の奥さんをもらっている。そんなことをしていて何が逆境か。
99/12/23
--------忘年会でした。
以前書いたとおりしゃぶしゃぶと聞いていたのだが、刺身や煮物ばかり並べられてちっとも鍋が出てこない。そのうちデザートのアイスクリームが出てきて終わってしまった。
パンツを着用していたからよかったが、あやうくノーパン懐石になるところだった。ビンゴとか、借り物競争とか、ポッキー輪ゴムリレーとか。そんな感じ。
最後に三本締めで終わりましょうということで、みんなが輪になって立ったとき、「じゃあサライでも歌いますかあ」とか言ってる人がいて、本気でビビった。
99/12/22
--------近所の駅の改札前のところに、「白ポスト」なるものが置かれている。
(最近はこの駅を利用していないので、現在もあるかどうかは不明なのだが)その大きな箱状のものには、「不要となった青少年に有害な図書はこの中へ」といったようなことが書かれていた。要するに、エロのふきだまりである。
中学生の頃、このポストの前を通るたびに心かき乱されていたことを思い出す。かがやくロマンで白さが際立って見えた。青少年に有害な図書を買うことについては、もはや恥といったものを感じなくなってしまった私ではあるが、それを白ポストに捨てるのはいやだ。それも駅の改札などという人の多く集まるところにあるなんて、嫌がらせとしか思えない。
それに有害図書は、スペースの都合で隠蔽するのが困難になることはあっても、不要とはならない。だが、もう白ポストがなくなっているのなら、この街を捨てる。
自分の気持ちがわからない。
99/12/21
--------「クリスマス殲滅委員会」の活動だが、私はＢ作戦要員に志願した。
Ｂ作戦とは、イブの晩、コジャレバーの椅子にブーブークッションをしかけることでカップルを恐怖のどん底に陥れるという、まさに殲滅の響きにふさわしい特殊工作だ。
そういうわけで、先日ブーブークッションを購入してきた。今、私の手もとには赤・青・緑のブーブークッションがある。本日のコラムは、 これらクッションのテストレポートをライブでお届けしてみたい。さっそくテスト開始。
赤…「ブブブ、ビッ」
青…「ブバッ、ビビビビ…」
緑…「ブビー、ブブブ」テスト完了。各色のクッションの擬音は以上の通りだ。
これを読んで、ブーブークッションは色ごとに音色が異なる仕様になっているのかと考えた方もいるかもしれないが、それは違う。
赤はノーマル仕様だが、青は水を、緑はマヨネーズを、それぞれ空気の噴出口に塗ったのだ。感心したのは、水を塗った青のクッションは、かなり下痢っぽい音がした点だ。擬音語で表すとお伝えできないのがくやしいのだが、こんな音の屁をしてしまったら、実が飛び出していないかどうかパンツを確認しないではいられない。
その点、緑はマヨを塗ったにも関わらず、平凡な音に終わり残念。
99/12/20
--------出勤時、朝のひととき。
職場の女性に「おはようございます、あ、今日そういえば誕生日でしたよね。おめでとうございます！」と挨拶。自分なりのさわやかスマイルをつくり、マメさをアピール。だが、手に持つ鞄の中には１日延滞のエロビデオが入っている。
陽光すがすがしい冬の朝に潜む、人生の諸問題と存在の矛盾。
北風が冷たい近頃、自転車で公園をめぐるのがきびしくなってきた。公園、冬の時代。
というか、単に季節が冬。
99/12/19
--------古い喪失体験を思い出した。
まだ高校生だったから、仕事を持っている今よりつきあう相手を選ぶ自由があった頃だ。友人が雑談している中で、イギリスに留学したいんだという話をしはじめた。よし、ひらめいた、ネタ発進だ！
「それってまさに、イングリッシュ・アドベンチャーじゃん！」
一瞬会話の流れが止まって、再びイギリスへの思いを話し始める友人。適当な相槌を打ちながらも、私の心の中にはなぜの嵐が吹き荒れていた。
家出のドリッピーの気持ちがよくわかる。
99/12/18
--------１年ぶりくらいに会う人たちとの飲み会があった。
前回のとき、目黒寄生虫館の話をしたら非常に喜んでくれて、「今度絶対行くっ！」と言ってた人がいたので、行ったかどうか聞いてみた。
「あー、すっかり忘れてたわー」とのこと。そんなもんか。続けて曰く、
「そう言えばあの後、テレビで寄生虫館のことやってて、そのときにあなたのこと思い出したっけ｣どうやら私は、彼女の記憶の中で、寄生虫とセットでメモリーされているらしい。そんな覚えられ方もあっていいかもしれない。受け入れられるさマイデスティニー。
彼女がアニサキスにでも宿られたりしたら、痛みでうなされつつ、頭の中は私のことでいっぱいであるはずだ。
99/12/17
--------掲示板で読者の方から「ハイブロー」との感想をいただいた。
「溜飲がさがる」という言葉をもらったときとは違い、今度は読める。だが、なんとなくの意味はわかっても、はっきりとした意味がわからないというのは同じだ。電光石火で辞典にあたる。
【ハイブロー(ハイブラウ)】 教養が高い、格調が高い、こむずかしい。
おかしい。
さびれた公園を回るなんて、決して教養人のすることではない。「ポロリバンザイ！」と叫んだりすることは、格調の高さとはまるっきり正反対に位置するはずだ。つまり私は、ローブローに位置するべき者であって、自分としてもそれで納得している。そうでなくちゃ困る。だが、知識が低いという意味でのローブローなのではなく、ボクシングで言うところのローブローでありたい。相手の股間を打ってしまう反則だ。
読者の金玉を殴るようなコラム。
99/12/16
--------「バースデーブック」という、はずかしい本がある。
365日の１日ごとにそれぞれの本があって、その日が誕生日の人の性格や占いなどが載っている本だ。誕生花や誕生石なども書いてある。
以前、女の子とつきあっていた頃、この本をプレゼントしたことがある。今となっては葬りたい過去だが、私にもそんな浮ついたことをしたかった時期があったのだ。許してほしい。
渡して一緒に見ていると「○月×日生まれのあなたにぴったりの恋の相手の誕生日」という欄に、私の誕生日があるではないか。普通のカップルならそこで盛り上がるはずなのだが、私たちは違っていた。はしゃぐ私をよそに、僕を置いて倦怠期に突入していた彼女は、喜ぶどころか明らかに負の方向へと表情が変化していた。私がいなければ本をビリビリに破いて捨てそうな勢いだった。
気づいてはいても、何も言えない私。
静かに、恨み節人生開始のスイッチが押された。
99/12/15
--------テレビ番組のやらせが多く非難された１年だったが、私は「やらせバンザイ！」と叫びたい。
夏になると夜７時から２時間枠で「芸能人水泳大会」みたいな番組が毎年放送される。その番組では必ずと言っていいほど「ポロリ」という現象が起きる。
多くの方はおわかりいただいていると思うが、念のため解説しておこう。ポロリとは、プールで行われるゲームがヒートアップするうち、水着のブラジャーがとれて胸があらわになってしまうという摩訶不思議な現象のことである。はっきりした根拠があるわけではない。だがこれはやらせだと断言できる。ポロリ当事者にとってはとんでもない一大事であるはずなのに、当人はそれほど慌てるそぶりも見せないのだ。
上級者になってくると、番組のはじめに出演メンバーを見ただけで、誰がポロリ要員なのか判別できるようにまでなる。かなり上級にまで達してしまった私には、ポロリのない生活なんて考えられない。
結局、私が言いたいのは「やらせバンザイ！」ではなく、「ポロリバンザイ！」ということだ。
99/12/14
--------優香が好きだ。好きだぁーという感じ。
最近流れているシャンプーのコマーシャルに優香が出ている。彼とおぼしき人にすり寄り、「いい子いい子して」とねだっている。あー、反則だよなー、これ。
さあ、いくらでもしてやるとも、これまで誰も経験したことのないくらいすごいやつをね！
見てご覧、この右手の動き。目にもとまらない速さだろ。１秒間に60往復してるんだぜ。どうしてこんなに早いのかって？そりゃ日頃の訓練さ。どうだい、摩擦熱で煙が上がってきたよ。ああ違う、僕が望んでいるのはこんなことじゃない。ねたみそねみに冒されつつある。
そういえば昔つきあってた子は優香に似ていたなあ、なんていう都合のいい幻想が僕を包む。
幻想でもいい、今が幸せならば。
99/12/13
--------「クリスマス殲滅委員会」という組織に加入した。
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すでに、私の中に、去年のクリスマスイヴをどのように過ごしたかという記憶はない。都合の悪い過去は忘れるという脳機能が働いているのだろう。
去年以前のイヴについても、記憶はほとんどない。唯一覚えているのは、２年前、男同士でいちごパフェを食べに行くという企画を実行したときだ。それについて、何かおもしろい話の一つでも書ければよいのだが、ただただひたすら寒いものだったということしか書けない。今年も寒さについては改善されそうもないが、同士を得ることができた。
｢殲滅」という言葉の響きに沿うようなことをしなくてはならない。
近所の公園で爆竹でも鳴らすか。
99/12/12
--------テレビ東京で日曜の夕方やっているニュースに、「ニュース犬が行く」というコーナーがある。犬がニュースを求めていろいろなところに行くという、趣旨がよくわからないコーナーだ。
犬が企業の商品開発部の人やトレンドウォッチャーみたいな人にインタビューしに行く。
ニュースに芸術性は別に必要ないと思うのだが、絵的にシュールにならざるを得ない。先日の放送、商品開発部の人は決して犬と目を合わせようとしていなかった。だからと言って、そんな自分をよしとしているわけでなさそうで、自信なさげな視線は定まらないでいた。これが俺の仕事なのか、と。
トレンドウォッチャーは、親しみやすい表情で、犬に語りかけるように話していた。
これはこれでちょっとイヤ。
99/12/11
--------会議室で使うマイクが壊れたとのことで、私のところによこされた。
電池を替えてみたが、スイッチを入れても電源が入らない。電気製品はこういう時、ちょっとショックを与えると直ることが多い。案の定、コンコンと軽くぶつけると直った。
私 「確かに調子悪いみたいですけど、こうやってコンコンとやると…」
相手 「あ、直った！」
私 「これが、シャクティパットです」沈黙のオーラが僕を包む。
でも、この雰囲気には、もう慣れた。何か返してくれれば、「では、お代の方、３０万円ほど…」とか用意していたのだが。
今となってはこんな準備もむなしいだけだ。だがしかし、これももう何度も味わった。このフォーマットでなら、いくらでも書ける。
99/12/10
--------槇原敬之の裁判があった。テレビ朝日のニュースでそれを見た。
法廷内の似顔絵が、ちっとも似ていない。あんなに特徴のある顔なのに、プロの絵描きとしてはまずいんじゃないだろうか。似ていないと言うより、誰か別の人を間違えて描いたんじゃないかと思うくらいかけ離れていた。どう考えても槇原敬之じゃないんだけど、どこかで見た顔だと思って、やっとわかった。
大江健三郎なんだよなー。時空がねじれているとしか考えられない。そのあと、日本テレビのニュースでも見てみた。
こちらの似顔絵は特徴が強調され過ぎていて、似ていると言うより、もはやコミカル。反省の色など微塵も感じられない。画風出しすぎ。槇原敬之が、テレ朝の絵師が見ているときは大江健三郎の顔まね、日テレの絵師が見ているときはおどけた表情をしていたのならすごい。
99/12/09
--------キュロットスカートには、何度騙されたことか。
別に中身が見えることを期待しているわけではないのだが、スカートをはいている女性が好きだ。学生の頃など、タイプのクラスの子がその日にスカートをはいているか否かは重要な問題だった。
はじめからキュロットスカートとわかるものなら、それはそれでいい。半端な印象はぬぐえないが、夢を無駄にふくらませなくてよいからだ。でも、ときどき、キュロットスカート部の上にもう１枚、布がかぶせてあるようなやつがある。
あれは普通のスカートにみえるから、ずるい。それとわかった瞬間、舌打ちしてしまう。さらに露骨な騙しのテクニックを実践しているのが、フィギュアスケートの女子選手。
すごい胸の開き方をしている服だと思ってよく見ると、なんかその部分だけ肌色のらくだみたいなやつ。なんなんだあれは。どうせらくだだとわかっていても、毎回注目する私がいる。
99/12/08
--------相変わらず、カレーばっかり食べている。
先日(99/11/13)のコラムに書いたカレーハウスにもあれから何度か行った。 (この店は量のバリエーションが豊富で、少ない方から上品盛り・普通盛り・大盛り・特大盛り・超特大盛り・富士山盛り・エベレスト盛り・地球盛り・宇宙盛りとなっている)
私はいつも特大盛り。この間はポークカレー特大盛りを食べた。伝票をよく見ると、「ポーク 特大」と書いてある。
私にはとても注文できないが、もっと上の方の量だといい感じの伝票ができるだろう。
きのこカレー宇宙盛りだと「きのこ宇宙」。
無重力空間に浮かぶ、シイタケやマイタケ。うかつに目を開けると、胞子が飛びこんでくる。エベレスト盛りだと、「ポーク エベ」だと思う。
99/12/07
--------上司室に入ったら、相田みつをの詩が小さな額に入れて飾ってあった。
「うつくしいものを 美しいと思える あなたの心がうつくしい」
うんこちんこと喜んでいる私の心はどうなるのだろうか。
上司と私との間に流れる、暗くて深い川の存在が決定的なものとなった。これに加えて、上司が家族でボスジャンを着ていたりしたら、辞表提出だ。私は、部屋にラッセンの絵を飾るような上司のもとで働きたい。
うそです。
99/12/06
--------小学生の頃、ラジオに電話で出たことがある。
伊東四朗の番組にプロレスラーのジャンボ鶴田がゲストで出ていて、鶴田さんへの質問を電話で受け付けます、というものだった。
私がした質問は、「鶴田さんの本名は『鶴田友美』で、女みたいな名前だと思うんですが、自分ではどう思っていますか」というもの。子供のくせに妙にマニアックでイヤなところをついた質問だと思う。よく採用されたもんだ。電話で伊東四朗やジャンボ鶴田と話したはずなのだが、内容はさっぱり覚えていない。
あとから、ジャンボ鶴田のサイン入りＴシャツが送られてきた。色はレモンイエロー。「あっぱれ土曜ワイド」という番組だったためか、胸にでっかく「APPARE」とロゴが入っている。今でもとっておいてあるが、とても着られない。ボスジャンどころの話ではない。
ほしい人いたらあげます。
99/12/05
--------東京の新しい地下鉄の愛称が「ゆめもぐら」に決まった。
東京に勤務する者として、このことについては自分なりの立場を表明しておかなくてはならない。発表から日が少々経っているのは、意見をはっきりさせるために時間がかかったと捉えていただきたい。新聞の記事には「有識者の選考委員会が決定した」とある。
「識」ってなんなんだ。会議は不毛という真理の実例がまた一つ増えた。きっといろいろ話しているうちにわけわかんなくなっちゃって、「ゆめもぐらでいいやー」という感じで決まったんだろう、と人に話してみたところ、「いや、意外と満場一致だったのかもしれないよ」との反応。そうか、そうかもしれない。
「ゆめもぐらしかありません」「ゆめもぐらこそ、定説です」「ゆめもぐら最高ですか！」
大人が集まってこんなことを熱っぽく語る会議室。この方がずっといい。と、書いてはみたが、ゆめもぐらを肯定する気にはまだなれない。
99/12/04
--------辞書でエロい言葉を引く。
子供が大人になるためのイニシエーションと言ってもいいくらい、特に男子はみんなやったんじゃないだろうか。小学校の頃、図書室に置いてある国語辞典を使って調べてみると、調べようとした言葉にすでに蛍光ペンでマークがしてあったりする。エロの世界に旅立とうとする心を、こころよく受け入れてもらえた気がした。1999年・冬、少年の頃に帰って、手もとの辞書を引いてみよう。
当時のエロ語彙は非常に貧弱なものなので、まずは「ちんこ」あたりから引いてみる。記載がない。
では、「ちんぽ」ならどうだろう。あるじゃないか。【ちんぽ】 陰茎。ちんぽこ。
小学生的には、陰茎とか言われてもうろたえるばかりで意味がわからないので、その言葉もまた引いてみるわけだ。あるある。
【陰茎】 男のからだにあり、小水を出す筒がたの器官。
筒がた。
「体」ではなく、「からだ」というのも文学だ。
小学校を卒業して14年、僕の野生が走り始めた。
99/12/03
--------仕事帰り、以前バイトをしていたゲームセンターにときどき寄って帰る。
私がいた頃からいて、今でも働いている女の子が「お久しぶりです〜」と声をかけてくれた。挨拶を返しながら、確かこの人は家族から「あーちゃん」と呼ばれている人だ、と思い出す。
名前は思い出せないのだが、「あつこ」とか「あさみ」といった、「あ」で始まる名前ではないことは覚えている。彼女が家族から「あーちゃん」と呼ばれているのは、あほだから、なのだ。本人がそう言っているのだから間違いない。
あほだから、あーちゃん。シンプル・イズ・ベステスト。
家族にそう呼ばれている、というところがすごい。我が子に名前をつけた意味がない。
愛らしいあーちゃんとか、あつくるしいあーちゃんとか、いろいろなあーちゃんがいるかと思うが、「あほのあーちゃん」はときどき口半開きだからだからすぐ見分けがつく。
99/12/02
--------２ヶ月くらい前の話になるが、また神秘珍々ニコニコ園に行ってきた。３回目だ。
私の中ではもうニコ園は終わっていたのだが、近くまで行った際に一緒にいた相手に聞いてみたところ、ぜひ行ってみたいということだったので行くことになった。女性と行ったのはこれがはじめて。
その方、駐車場では怪しげな作品群がかなりお気に召したようで、パチパチと写真を撮っていたのだが、中に入り進むにしたがって無口になり、とてもシャッターを押すような気分でなくなっていった様子だった。私がはじめて来たときと同じだ。人をそうさせる力があそこにはある。
ニコ園を後にし、駅まで歩く間、二人の間に流れた空気がどれだけ沈痛なものだっただろうか。
口を開こうにも、何を言えばいいのかわからない。
あとから聞いたところ、行ってしばらくの間、気がつくとニコ園のことを考えてしまったりもしていたようだ。私が最初に行ったときは、その晩の夢に出てきた。次は自分の子供がグレたら連れて行こうと思う。
99/12/01
--------先の日曜日のサイクリングは、新宿〜神宮外苑〜青山〜恵比寿という感じ。神宮外苑、ちょうどいちょうの見頃とはいえ、あんなに人がうじょうじょいるところだとは思っていなかった。
青山周辺でも、公園をいくつか訪問。どの公園でも、鎖を解いてでかい西洋犬を遊ばせている人がいた。僕が犬に襲われやすい体質だということをまったく理解してくれていない。どんな子犬にでも、噛まれる自信はある。
外国人の親子がたくさん遊んでいるというのも本当だった。歩道を歩くカップルもなんかハイソだ。ちくしょう。でも、こんな街並みでも、ぞうライドには「馬」と落書きしてあるし、公衆トイレには「足立参上」とスプレー書きしてある。公共物を汚すのはいけないことはわかっているが、落書きの著者と私は、心のどこかで結ばれている。金持ちや外国人の好き勝手にはさせないぞ。
自分を下の方へ下の方へともっていく妄想なら、負けはしない。
