●だまされつつも深い理解
象をモチーフとしたファンシーな色遣いの作品だが、どこかさびしげな印象を漂わせている。うつむき加減の顔に、ちんまりと座ったたたずまい。人気者の草食動物といった、型通りなイメージ以上のなにかがある。
それが私の第一印象だったのだが、よくよく見るとどうもあやしい。鼻をさわっているように見せかけて、実は性器をいじっているのではないだろうか。そうだとすれば、体がピンク色に火照っているのにも説明がつく。公園における性教育、いよいよ実戦編だ。(東京都以下失念/00/12/03)
●スポッ、スポッ
公園名はわかりやすいのが一番だ。下作延かつら公園、人目をはばかりがちなフェイクへアー愛用者には福音となる公園の登場。疲れた体をベンチに休め、おもむろにマイかつらをとりはずす午後。むれた頭皮にひんやりとした公園の空気がすがすがしい。立ち昇る湯気は自由の象徴だ。
ひとしきり休んだら、かつら戦士に長い休息は必要ない。再びかつらをかぶって旅立とう。パチン、パチン！金具を止める音も小気味よい。地毛の方お断り、ここはかつら解放区。(神奈川県川崎市/00/11/27)
●ポの必要性
消防署のまん前に置かれていたライド。ロケーション的に大人が乗って遊ぶのはつらい。下手をするとそばにある本物の救急車で運ばれかねない。
ライドに名前が書かれているのは珍しい。この作品はその稀な例なのだが、その名は「うーかんジュニポ号」と意味不明がちなもの。消防車で「うーかん」、「ジュニ」はジュニアの意か。そして残った「ポ」はポンプなのだろうが、私にとってのポはポンプなんかではない。用途が似ているからといって人の大事なものをポとか勝手に略すな。(東京都荒川区/00/11/13)
●なんかすごい悪げ
ライドの表情で一番多いものは何かと考えたとき今ひとつしっくりこないのは、それは親しみやすくも人工的な笑顔である場合がほとんどだからなのだろう。なにがしかの違和感を感じずにはいられない。
そんなライド界でこの作品は珍しくかなり強気。妙な自信に満ちていて、ライド界ではいじめっ子として疎んじられてると思われる。私がライドだったら、こいつのことが嫌いで嫌いで仕方ないと思いながらも、ただ前後に揺れるだけでなにもできないことだろう。(東京都葛飾区/00/11/06)
●ライド残酷ものがたり
可動式ライドは頭部を貫く棒にそのかなしみがある。その棒はハンドルとしての意味があるのだが、そこに棒が刺さっていてはライド自身に命はない。なのに多くのライドは笑顔だから余計に心揺さぶられるのだろう。
この作品は、そんなライドの定めを不憫に思った設計者の作品かと思われる。
しかし安全面を考えた場合、ハンドルの呪縛からは逃れられない。結果このように脳天に鉄杭が刺さっているというデザインになってしまったのだろう。もう一度ありがとうと言いたい。(東京都練馬区/00/10/30)
●ライド宇宙時代
なんてことはないしょぼくれた宇宙船ライドだが、こうして３体でフォーメーションを組んで並ぶとちょっとかっこいい。ライドごときをかっこいいとか思っているのが悔しいが、やっぱりかっこいいのだから仕方がない。
私がこの写真を撮った直後、幼女がすこし狂ったスターウォーズのテーマを口ずさみながらライドを激しくゆさぶっていた。パンツ丸出しだったこともあり、撮影するタイミングを間違っていればいろいろと問題が起きるところであった。これぞ宇宙パワー。(東京都葛飾区/00/10/23)
●ライドうさ晴らし
どれもこれも全部そろって色がおかしい。本来の色などまるで無視。型にはまらない奔放さを認めるべきかもしれないが、公園に遊びに来る子供の情操への影響を考えると不安にもなる。
いつも同じ色のライドばかりに飽きたライド職人がやけになって思いつきでこんな色に塗ってしまったのだろうか。仕事を個人のわだかまりのはけ口にするのは本来避けるべきだが、この狂った動物たちを見ているとそんな正義もどこ吹く風だ。(東京都荒川区/00/10/09)
●あの人気者がこんな仕打ちに
保育園の庭にあったものを撮影。正体がはっきりとはわからない角度からの写真というのは意図的ではなく、園を囲う塀の合間から撮ったため。が、期せずしてうらぶれた雰囲気をかもし出すことにつながったようだ。
もちろん、自分の顔をちぎって食べさせるあのヒーローなのだろうが、砂をかぶっている上に地面スレスレの超低空飛行。もはや明るい正義の味方というよりは単なるボロ雑巾だ。ヒーローもここまで落ちぶれると親しみやすさを超えてみじめさばかりが先立つ。(取材地失念/00/10/02)
●緊縛プレイ
ペットについてのマナーを守るように呼びかける公園の掲示では、その動物自体がマナーを訴えているものも多い。本来動物はうんこなんかやっちまえばどうもでもいいと思っているだろうが、マナーを守らせるためなら動物だって無断で味方につけるという方法は説得力があるとは思う。
この犬の場合、自分を束縛するひもまで持っている。「俺をつなげ」ということか。変態の一種と言って差しつかえない。マナーの面からすれば立派だとは思うが友達にはなりたくない。(東京都練馬区/00/09/25)
●客寄せラジオ体操
公園がラジオ体操の会場になっているのはしばしば見られ、この公園も例外ではない。しかしここでは確信犯なのかなんなのか、「フジオ体操」になっているではないか。
赤塚不二夫のキャラクターが勢ぞろいして「シェー！」とかいうポーズをとる体操だろうか。いや藤子不二雄のキャラが友情ドラマを繰り広げる体操かもしれない。あるいはジェリー藤尾が取り仕切る体操か。なんだかわからないが、とにかくフジオロマンシングなのだ。(東京都荒川区/00/09/18)