■アイテム集   その５■

  このページでは、ひとつの公園としてまとめるには材料不足だけれども、埋もれさせてしまうにはおしい公園その他の各種アイテムたちを紹介します。

●ライド・アンノウン

  モチーフ不明。だからといっていわゆる抽象ライドにカテゴライズすべきものでもないと思われる。抽象以前に、デザインそのものを捨て切っていると言えるだろう。
  座る部分・ハンドル部分とそれぞれ推察されるところがあるが、それにしてもどのように搭乗すればよいのかすらわからない。単なるいすとして考えてもよくわからないデザインだが、さらにスプリング仕様になっているのだから存在意義の理解に苦しむ。
  無理に乗って揺らしてみたところで、どのように乗ったとしても危険を伴う気がしてならない。生まれてきてはいけないライドだったのだと思う。(東京都板橋区/99/12/13)

●象が象であるということ

  一見ぞうライドだが、「馬」と書いてある。ライドを鑑賞するとき、そのモチーフが何かを判断するのは、それを見ている者に他ならない。私もこれまでいくつものライドを紹介しするにあたり、これまでの経験によって得た知識を総動員して、モチーフを判別してきた。しかし、このライドは、そんな私の全仕事を否定する可能性に満ちている。
  「ポロシャツ」と書いてあるTシャツはポロシャツなのか。普通のパンツに「海パン」と書けば水着になるのか。人間の認識に挑むライド、受けて立とうじゃないか。まずはレバーに「フォアグラ」と書いて食べるところからはじめよう。(東京都渋谷区/99/11/28)

●野菜にまたがる

  お野菜ライド。どれもかわいらしいデザインだが、特にきゅうりの造形とカラーリングはリアルさが秀でていると思う。
  子供向けにデザインされたものという枠を超えて、大人でも、特に若い女性などは思わず座ってみたくなるのではないだろうか。純粋な座り性能としては、ピーマンが優れているのだろう。ただ、きゅうりやにんじんは二人でもなんとか座れるくらいの大きさがあると思う。きゅうりやにんじんの上で肩を寄せ合うカップル、夢がいっぱいだ。
  それにしても、ピーマンのよごれが気になる。ピーマン嫌いの子供にひどい扱いをされているなら、守ってあげたくなる悲哀が漂う。(神奈川県横浜市/99/11/21)

●目があるタイプ

  大横川親水公園で紹介したサイバーライドと同じものだが、これはあまりサイバーな感じがしない。それは目があるからなのだろう。むしろかわいい雰囲気すら漂わせている。
  しかし、その目をよく見てみると、どうももともと描かれていたものではなく、あとから誰かが描き足したように見えた。塗装がプロの技術をもってされたものではないのだ。
  だとすると、やはりこのライドも本来は目無しのデザインだったのだろうか。周辺の住民が目のないライドに心かき乱されて、子供の情操教育の意味でも描き入れたのかもしれない。

●目があってもサイバー

  こちらも近未来系の鳥ライド。目があるにも関らず、サイバーげ。
  このライドの目もよく見てみたが、あとから描き入れられたのかどうかは微妙だった。上下にビロンと広がったくちばしをどうとらえるか、鑑賞者によって分かれる所だろう。
  このライドも上のライドもハンドルがＶ字型になっていて、これまでにはないデザインになっている。これはハンドルのつけ根を見てわかったのだが、もともとこうだったのではなく、無理な力をあとから加えられてねじまげられたようだ。ライドは青少年のいらつきのはけ口としても役割を果たしている。(東京都新宿区/99/11/13)

●高密度ポリエチレン製

  板状の部品を組み合わせて作った形式のバイクライド。このタイプの設計は、ライドデザインにおける一つのメインストリームと言っていいくらい多く見られる。あまり好みではないものが多いのだが、このライドは素直にかっこいい感じがする。
  このライドの価格は、163800円。高いと感じるかどうかは人によるだろうが、私としては個人で買うには高い、と感じた。ライドはそもそも個人で買うものではないので、この認識は間違っていると言える。(東京都新宿区/99/11/07)
  (価格その他仕様は→http://www.kotobuki.co.jp/download/guest/playg/spl_ply.htm)

●やや中級者むけ

  ぞうスライダー。先日紹介した、大宮市のぞうスライダーと設計コンセプトこそ重なる部分もあるだろうが、全体的な完成度としてはこちらの方が上だろう。造形が大宮のものより立体的で、より象そのものに近い印象を受ける。
  が、このスライダーで最も優れている点を挙げるとしたら、切断面がピンク色をしていることである。切ったらお肉だよという色合いが、作品に生命の躍動を与えている。
  金網越しなのは、保育園に設置されているものだからだ。保育園を盗撮しているようで変質スレスレだが、休日で園児がいないため撮影できた。(東京都新宿区/99/11/06)

●カップルオンリーライド

  幾何学系デザインのライド。モチーフは鳥系。だが、これまでにない形式。２人乗りのみを考慮して設計されているのだろう。シーソーとライドの融合とも言える。カップルで乗れば楽しいのだろうが、私としてはもっと密着できるタイプを望みたい。
  職安通りから一本路地を入った、ハングル文字の看板ばかりのところにあるこの公園は、規模が小さいにも関わらずホームレスと思われる人たちが多くいた。新宿中央公園と比べると、明らかに高齢の方が多い。天気はよくても、風はもう冷たい日の訪問。(東京都新宿区/99/11/03)