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●カナダからの不安
カナダにお住まいの読者からいただいた画像。現地からのライドレポートであり、初収録の海外作品。
そういうわけで喜ばしいことなのだが、なんだか不安を感じずにはいられない。左の木馬は見たことのない型でこそあるが、モチーフもはっきりしたスプリング式ライド。ここまではよい。
だがなんだ赤と緑のは。純粋にライディングプレジャーを味わうための抽象デザインはこれまでにもあったが、それにしてはこれらのライドには解釈不能な意匠が施されている。単なる抽象ならはそれでよいのだが、半端な装飾がかえって不安な異形らしさをかもし出している。
こんなものを子供の遊び道具として設置してよいのだろうか。カナダの子供たちはこれにとびきりの笑顔でまたがっていたりするのだろうか。(カナダ以下不詳/00/09/04/読者提供画像)
●ほとばしろうとする体験
中に入って遊ぶタイプの遊具。撮影してくださった方の判別ではモチーフは腸であり、私も意見を同じくしたい。史上初の内臓を題材にした遊具。
小腸か大腸かの区別はつかないが、私は大腸であることを願いたい。それが小腸ならば中に入って遊んでいる者はまだ消化されつつある食べ物を演じているに過ぎないが、大腸ならばみんな大好きな茶色のアレと自分を重ねることができる。体をくねくねさせてやっと出口にたどり着いたとき、もう君は立派なうんこなのだ。(新潟県上越市/00/08/28/読者提供画像)
●名ばかりの友情
ご覧の通り、練馬区には「ガラクタ公園」という公園がある。それだけだ。
地図で私がこの公園を発見したとき、どれだけうれしかったことだろう。でたらめなやけくそ感、どうでもいいやという捨て鉢なネーミングは、私にこれまでにない親近感をもたらした。ここなら僕もやっていけそうだ。
それがなんだ。訪れた私を待っていたのは、写真も載せたくないくらいクリーンな公園ではないか。トイレも妙にこじゃれていたりして腹が立つ。こんなトイレではうんこなんかしてやらない。(東京都練馬区/00/08/21)
●メロン記念日
フルーツライドというだけ珍しいが、可動式となるとさらにレアリティが高い。しかも高級フルーツの代名詞、メロンである。カットタイプというのも珍しいが、丸メロンでは贅沢すぎるという配慮だろう。表皮に注目すれると、しっかりとマスクメロンらしさを表す模様も施されている。
と、書いて気がついたのだが、マスクメロンの果肉は黄色だっただろうか、本気でわからない。それくらい私はメロンと遠ざかっている。こんなところでも断絶。(東京都練馬区/00/08/14)
●魂を入れろ
魂が感じられないタイプのライド。目が描かれていないことが大きな原因だが、ぽかんと開いた口もやる気以上に生気すらも感じさせない。
この写真は読者から提供していただいたもので、採取地は幼稚園の庭とのこと。撮影中には幼児が園内を裸で運動していたこともあり、保母に尋問されたりもしたそうだ。サイト製作者ですら幼稚園は避けているのに、撮影者はライドに反してスピリッツにあふれている。その勢いで社会のしくみから逸脱しないように願うばかりだ。(茨城県下館市/00/07/30/読者提供画像)
●すばらしい野菜なかま
栄養に詳しい方はご存知だろうが、なすという野菜は驚くほど栄養がない。ほとんど水分という成分、それでも私がなすが好きだ。その気持ちはおいしさに由来するのだが、いくら食べても栄養がないという点にも密かにひかれているのかもしれない。むしろ栄養のあるなすなんて認めたくない。
とても珍しいなすライド。可動式という点もレアリティが高い。
しかし実際こんなに曲がったなすは、出荷する際の選別ではじかれるだろう。とにかく私は、ライドの中に自分を見る。(東京都練馬区/00/07/24)
●アダルトチェアー
いすカテゴリのカメ。まず動物の選択を誤っている気がするが、いす部分を甲羅に模し、側面に頭部をあしらうという設計は一見新しくも感じられる。
しかし、実際にこのいすに座った場面を想像してほしい。ちょっと気を抜いて脚を開いて座ってしまおうものなら、そこには股の間からカメの頭が顔を出している状況が完成しているのだ。公園と性教育の融合自体は否定しないが、あまりにも屈折し過ぎている上に人の虚をつくような姿勢には賛成しかねる。(東京都練馬区/00/07/17)
●殴る方も痛いんだ
猿がモチーフの作品。人を小ばかにしたようなポーズだが、白目を剥いているところからすると、とぼけた顔をしつつもこれまでいろいろとひどい仕打ちにあってきたのだと思う。この作品をライドと呼べないのは、その形態に疑問があるからだ。普通にまたがると、それはいわゆるマウントポジションになる。多くの場合はボコボコに殴ってしまうだろう。
殴られるために設計された作品。ここでも公園と暴力の親和は依然進行している。(東京都中野区/00/07/10)
●生き急げらくだ号