緑ヶ丘公園   midorigaoka park  兵庫県伊丹市

●ライド群落

  面積が広く、緑も多い公園。大きな池もあり、景色も美しい。またすぐ隣には公営のプールがあるなど、心休まる場所としても、リクリエーションの拠点としてもすぐれていると言えるだろう。しかし、訪れたのは土曜日だったが、人がほとんどいなかった。もったいない感じがする。
  ちびっこ広場には写真の通り、ライドが群れている。このような形でライドが多数置かれているのは時々見かけるが、どこでも規則性はなさそうに感じられる。しかし、今回は、よく見ると固定式のライドについては１つの方向に向けて円を描くように配置されていることがわかる。言ってみれば、ライド大行進。夢とさびしさが同居している行列だ。スプリング式の２つのライドは、古び方からしてもあとから追加されたものだろう。

●動物編�@…固定式の枯淡

  この公園を訪れた旅行では、兵庫･名古屋の公園をいくつかまわったのだが、東京でも見たことのあるライドが多く、ライド世界の狭さを感じることになった。しかし、この公園では東京では見られないライドが多く見られ、またそのすたれ方も趣ぶかい。
  この３つのライド、いずれも固定式で、デザインも極めて古典的。色落ち具合もかなりの年代を感じさせる。モチーフとしては中央のあざらしが新鮮だ。ひれが足を置く部分として機能しているのか、色落ちが激しい。
  写真右の馬は、モチーフとしては珍しくないが、馬ライドでこの形式はレアリティが高い。搭乗した時に馬と顔が合うトーキング仕様のデザイン。しかし、本物の馬はこんな風に180度も首が回転しない気はする。

●動物編�A…スプリング可動式

  デザインとしては幾何学系に分類されるだろうか。好みとしてはこの系統のライドは好きではないのだが、これら3つのライドはよくできていると思う。モチーフからのディフォルメに無理がないように感じられ、どれもとても楽しそう。
  写真右の鳥ライドのスプリング、放射状になっており、これまでにはない動きが期待できそうだ。

●カップル対応

  非動物モチーフのライドとしてはメジャーなバイクライド。この２つは、これまで見たバイクライドの中で最も好みのデザインだ。左のバイク、なんともいえない躍動感があり、思いっきり前後にふりたくなる意欲をかき立てる。右のライドはなんとサイドカー仕様。これまでも複数名搭乗を前提としたデザインのライドを見たことはあったが、サイドカーというのはこれまでにない発想だと思う。デザインそのものもかっこよく、幼児が気になるあいつを横に乗っけて遊ぶにはもってこいの作品だ。
  しかし、そんな様子を見かけたら「まだ早い！」と注意してしまうかもしれない。子どもに妬みを持つところまで堕したと内省させられるなんて、なんてライドだ。

●人の気配が希薄

  園内の池。水生植物が水面を覆い尽くしており、よく見かける池にはない雰囲気が楽しめる。写真からもわかるように、緑が非常に豊富な公園で、それだけで心が休まる雰囲気に満ちている。
  しかし、緑が多い公園は、概して蚊が多い。茂みを背にしたベンチに座ってしまったりすると、すごいことになる。今回、うっかり座って休んでしまい、缶ジュースを飲み終わる頃にはこんなに刺されて大丈夫なのだろうかと感じるほど、ぼこぼこと足にふくらみができてしまった。そしてそれでもそんなにかゆみを感じなかったのが、本当に自分の体がどうかしてしまったのではないかという感じを助長した。(99/08/24)