南千住第二児童遊園  ninamisenju children park 2nd  東京都荒川区

●これぞ退廃

  はっきり言って、しょぼくれた公園だ。面積も狭いし、これといった遊具もない。薄暗く、ごみ箱もあふれかえっている。こんなところで子どもが遊んでいたら、人さらいにでもあってしまいそうな雰囲気が漂っていた。
  写真にある通り、はっきり公設の公園であることがわかる。その掲示の横に落ちているスポーツ新聞は、当然私が意図的に配置したものではなく、デフォルトで装備されていたものだ。ちゃんとエロ面が広がっている点は本来評価されるべき点なのだろうが、人でなしの私ですらあまりにも暗い雰囲気に「やめてくれ」と言いたくなる感じがした。

●粗大なごみ

  公園に放置されている粗大ごみの定番の一つに布団がある。最近見なかったのだが、この公園には放置されており、久々に不法投棄物としての布団を目の当たりにした。
  湿っぽい感じ・柄など、古典的な味わいでまさに悪いやつが捨てたごみという感じが強い。ただ、ごみ箱にもたれかけさせるように捨ててある点に、投棄者の最後のモラルが感じられる。これはごみなんだというかすかな意志表示。
  でもとにかく臭そう。

●明確な意志

  訪れた際にはハトはいなかったのだが、このような看板が立っている以上、この公園にハトがいた時期があったのだろう。邪推するに、はとほっぽフレンドリーなアンクルがいたのだが、住民からのクレームによって追いやられたというところだろうか。
  いずれにしても、ハトにエサをあたえてはいけないという明確なルールが存在する公園はそう多くないはずだ。このあたりにも、この公園のやるせない暗さを感じずにはいられない。

●一筋の光明

  こんな暗い公園にも、アニマルライドは一体設置されていた。が、正直に言って私の好みではない。
  固定式・可動式ともにそれぞれのよさがあると思うが、可動式だからといってこの種のディフォルメが施されているのは好ましくないと思う。子ども的には、記号としての観念的な馬よりも、現実的な馬に乗りたいと思うからだ。
  赤と黄色というカラーリングにも若干の疑問が残る。

●なんだか不快

  この公園は輪行(自転車を列車に乗せて出かけること)取材第一弾なのだが、こんな暗い場所になってしまった。この公園に着く前、荒川の土手をとてもさわやかな気分でサイクリングしていたのだが、ここに来て一気にブルーになった。今までに感じたことのない強烈な負のパワーが充満していた。
  宝くじの高額当選をしたり、お嫁入りの前で浮き足立っているとき、この公園を訪れると浮ついた気持ちを落ち着かせてくれるかもしれない。と、無理に考えてみた。(99/05/05)