●自分つらぬいて
大阪府営のかなり大規模な公園。資料によると野球場やテニスコートもあったり、園内の池は野鳥たちの水飲み場になっていてバードウォッチングにも最適であったりと、個人的には関係のない施設や要素に満ちている。さらには「花と緑の相談所」というコーナーもあり、花づくりや野菜づくり、その他植物全般に関する相談を受け付けているそうだが、私が本当にしたい相談はそんなことではない。
涙をふきながら芝生広場に出てみても、その一角にはバーベキューコーナーがあるから要注意だ。そうした公園本来の魅力は巧みにすりぬけながら、レポートをお届けしたい。
●大人への配慮なし
こうした大規模な公園では大掛かりな施設ばかりが充実して、小物遊具はおろそかになりがちであるが、大泉緑地の場合はそうした傾向にはあてはまらない。ライドは固定式・可動式とも充実の装備。
写真の可動式ライド群は中心を向いた円形の配置。それぞれのライドテクニックを他の搭乗者に見せ付けられる仕様と言えるが、大人が乗るには他のライドからの視線が気になって安心して乗れない配置とも言える。１台くらいは大人用に隅の薄暗いところに置いておいてほしい。
●クラスにひとりはいた中村
遊具も多く、広大で明るい公園ゆえ逆に感じるのは疎外感なのだが、そんな中どうも気になる園内掲示を発見。ひとりぼっちでブランコに乗る中村である。どうしたんだよ中村、ひとりたそがれちゃってさあ。
それはいいのだが、わざわざ掲示を作ってまで中村を案内しているのはなにゆえだろうか。中村のブランコはそんなに見事なものなのか。いや、逆にさびしくブランコに乗る中村を見せしめにするつもりなのか。周囲の奇異の目に負けず、中村には淡々とブランコに乗っていてもらいたい。
●大型遊具も充実
大きな公園の場合、ただ広いばかりで遊具にはあまり力の入れられていない場合も多いのだが、この公園は大型の遊具もこれでもかと充実している。写真はそのうちの一部だが、それだけでも子供心をくすぐる要素に満ちているのがわかるだろう。親子連れの姿もぽつぽつ見られたのでさすがに自分も混じって遊ぶのははばかられたのだが、気持ちとしては滑ったり登ったりしてみたい衝動に駆られっぱなしだった。このあたりは長く公園めぐりをしてきても吹っ切れていないというか、吹っ切れない方がよさそうなところである。
いろいろな遊具が写真にあるが、一番右の写真、中央部に見えるピンクを発見して思わず駆け寄ってみた。
●なにかを見つめるタコ
タコだ。久しぶりのタコスライダーだ。しかもこれまでこのサイトでたくさん紹介してきたタコと似てはいるものの型が違う。新タコである。
ちゃんと目と口がついているのが意外と新鮮だったりするのだが、それより特筆すべきは全体のたたずまいだろう。体に対して顔が少し斜め、さらに少し上を向いているりりしさはこれまでのタコにはなかったもの。とぼけたりひたすら地味だったりしがちなタコとは違い、このタコの場合はいっぱしに未来とか希望とか、そういう抽象的なものを見つめていそうだ。
●イボ多め
自我のめばえすら感じさせるタコだが、外見上の特徴としてはやたらに多いイボがうざったいということが挙げられる。やけくそ気味にばらまかれている吸盤は、明らかにやりすぎだろうといった感。さらにタコ内部からのすべり台部分にもイボイボが数多くでっぱっていていやたらしい。イボイボに気づかず滑り出してしまったら、おしりがガンガンと大変なことになりそうなトラップだ。
りりしさの裏にあるイボイボ。それでいて頭の上には鳩が止まっていたりして平和の象徴気取りだから隙がない。
●変わり果てた中村
以上の、この公園の本来の機能的な部分からを目をそらして紹介してみた。もちろんバーベキューなりテニスなりもできる公園なので、そういう楽しみ方をしたい人は楽しめばいいだろう！ああ楽しむがいいさ！と語気も自然に荒くなる。
右の写真はついに発見した中村。先の掲示で見たときは地味な印象だったが、思っていたよりも陽気そうな様子。きっとどこか遠い国で、彼を変えるスピリチュアルな出会いがあったのだと思う。(02/09/23)