辰巳の森海浜公園  tatsumi no mori kaihin park  東京都江東区

●ドラゴンスネイク

  表示にあるように、都立の公園。この点に気合の入り方や格調の高さを想像される方もいるかもしれないが、近隣には夢の島公園・有明テニスの森公園・そしてお台場海浜公園という、それぞれに魅力がある公園が多く点在しており、特にこれといった見所のないこの公園は集客力などでも苦戦しているように感じられる。森であって海浜であるという点もかなりマルチな感じがするが、印象としてはだだっ広い系のプレーンな公園で、結構ピンチ。
  辰巳の森と言われてもよくわからなかったが、竜や大蛇がうようよしているということではないようだ。

●ライドフロム北欧

  公園内のちびっこ広場には、ご覧のようにライドがきちんと並んでいる。全て木製であり、さらによく見るとスウェーデン製であることがわかった。これまでライドの生産国について確認したことはなかったが、これまでにはない風合いが確かにただよっている。スカンジナビアの大地から、ボスニア湾やバルト海を見てきたライドなのかもしれない。地図帳を見て書いた、とってつけたスウェーデンについての知識。

●機械系ライド

  まずは非生体ライド。左はオートバイだろう。簡潔な中にもセンスのよさが光るヨーロピアンテイストの作品だ。生産国を知ったことでなんでもとにかくヨーロピアンだ。右はモチーフ不明。２人乗りとして設計されているのか。モチーフが天秤だとしたら、もっと工夫してほしい。福祉に対する甘えがありはしないだろうか。

●秀逸なディフォルメ

  象と馬ライド。カラーリングもブルーとイエローという爽やかな組み合わせ。簡潔なつくりだが、モチーフの動物の特徴をよく表しつつ生かしている優れたデザインだと思う。穏やかでやさしい印象は幼児にも喜ばれるだろうが、もしかしたら馬は孕んでいるかもしれない。ライド性教育。

●ネオ3D

  ライドにおいてパンダをモチーフとしたものには、これまで紹介してきたように、秀作も多いが、首をひねりたくなるものも多い。残念ながらこれは後者に属するだろう。
  やはり、スウェーデンにおいても、パンダはライドのモチーフにしたくなるような魅力ある動物なのだろうが、そのかわいさに侵されてか、異国のライド職人も多くの日本のライド職人と同様に、なにか過ちを犯してしまったようだ。
  ライドというものはそもそも3Dの表現であるにも関わらず、また違った形で２重に3Dにしてしまったようだ。単に顔がずれていて怖いとも言える。縦から見た写真からもおわかりになるように、この幅しかない設計でパンダをモチーフとした時点で負けだったのだろう。世界の子どもたちがパンダについて誤った認識を持たないように祈るばかりだ。

●閑散げ

  訪れた際には人がほとんどおらず、明るい雰囲気とは裏腹に湾岸部全体に特徴的なむなしさも感じられてきた。このあとお台場海浜公園に行ったのだが、そちらはかなりにぎわっていたことからすると、やはり厳しいものがあるのだろう。
  写真は八王子公園と同じようなアニマルデコレート。なんだかわからない鳥がモチーフ。八王子公園のそれとは違って、一匹ももがれている部分はなかった。利用者のモラルが高いのか、接着技術が高いのか、おそらくその両方なのだろう。(99/08/03)