豊崎西公園  toyosaki nishi park  大阪府大阪市

●オクトパスは突然に

  友人と会いに訪れた大阪、久しぶりの再会を皆で楽しんだ翌朝、一人行動を別にして早朝から公園めぐり。宿泊していたホテルから歩いて５分、地図を片手に訪れたこの公園には、なんと恵比寿や兵庫でおなじみのタコがいるではないか。当然事前に情報を掴んでいたわけではないので、その分も喜びはひとしお。
  この公園のあとにもいくつか公園をめぐったのだが、残念ながらライド的には目新しいものはなく、大都市のライド事情の共通性を知ることとなった。だが、予期せぬタコとの出会いは、もうそれだけで青春18きっぷでバカみたいに１日１０時間近くも電車に乗って大阪まで来たかいがあったと、私に感じさせるに十分だった。

●なにわダコ厳しい現状

  豊崎西公園のタコは、恵比寿とも兵庫とも違い、色づかいはピンク色。ちょうど00/01/05のコラムに書いた調布のタコと同じような色をしていると言える。だが、中央のスライド部が赤く変色していて、おんなのこのタコと言うには厳しい。
  右の写真からわかるように都会にあるためか、調布のタコと同じように、このタコにも多くの落書きがされている。都会のタコを取り囲む環境はハードなようで、人の興味を引くデザインがかえってあだになるという悲しい皮肉が感じられる。

●青春の魔窟

  中央のスライド部をのぼり、上を見上げたタコドーム内部の様子。
  ご覧の通りびっしりと落書きがしてあり、このタコの歩んできた道のりが凝縮されている。造形のなんともいえない魅力が、人を表現意欲にかきたてるのだろう。
  調布のタコはドーム内部を確認することはできなかったのだが、外部から一見して露骨に卑猥な落書きが多かった。それに対して、このタコへの落書きは必ずしも人の心をすさませるものばかりではなく、人生のある時期には誰しも書かずにはいられない、自己顕示の高ぶりを示すようなものが多い印象を受ける。

●何をポロリするのか

  公共物への落書きは許されることではない。この前提を確認した上でも、市井の民の想像力には心動かされるものを感じずにはいられない。
  「伊良部だらけの水泳大会」。大磯ロングビーチは伊良部でいっぱい。水着は全員ビキニタイプを着用してほしい。一人妙に歳をとった伊良部がいるなと思ったら、伊良部のお父さんだったりする。それもまた伊良部。そしてお父さんもビキニパンツ。
  罰ゲームで一番上の飛びこみ台からダイブした伊良部には、はみ出すひじきを処理してから浮上してきてほしい。

●鳩に大人気

  この公園の鳩は、私を認識するなり近寄ってきた。それも歩み寄ってくるだけでなく、多数の鳩が飛来してきた。写真、少しぶれているのはあまりの迫力にびびりながら、とっさに撮ったものだからだ。ぜひなにかごちそうしたいところだが、旅先ということもありなにも持っていない。
  それにしても、私を強襲する彼らの勢いには、私がえさを持っているという確信が感じられた。新宿で鳩にうまい棒をあげまくったことが、ここ大阪にも伝わっているのだろうか。それとも、これらの鳩は新宿から私を追って大阪まで来たのだろうか。(00/01/06)