与野公園  yono park  埼玉県与野市

●いたいの

  大きな公園で、花をつける植物が特徴的だ。写真の奥には桜の木が並んで立っている。取材した日も花見日和で、桜は満開。花見客も来ていた。手前に広がるのはバラ園で、６月になるとバラの花が一斉に咲く。与野市はバラの町として売りだし中らしく、この公園はその象徴的なものの一つのようだ。
バラは何種類もあり、それぞれに個性的な品種名がつけられている。左のバラは「スーパースター」というらしいが、季節はずれのバラは桜のそれとは違ってみるべきものがなく、スーパースターの面影もない。

●オランダ風トイレット

  トイレはとてもこぎれいな建物で、オランダ娘が出てきてディナーに招待されそうな感じすらする。だが、よく見ると写真では分かりづらいのだが、側面の壁にパトカーの上についているようなサイレンが取り付けられている。そういった意味では、交番テイストもほのかに感じられ、人によって近寄りやすかったり近寄りづらかったりする。

●古典と前衛

  公園奥には遊具もととのっており、私のもっとも好きな遊具であるアニマルライドも設置されている。デザイン的にはごくオーソドックスなもので、個人的には好感が持てる。奥のきりんは約束どおり首がすべり台状になっているのがうれしい。あれをすべり台をすべるように試みて、幾人の子供が痛い目にあっただろうか。形状にまぎらわされて、機能を考えずに行動すると失敗するのだ。うさぎはアニメ的にデフォルメされておらず、和風デザインだ。ぶたはなんとなくかわいそうな顔をしており、ここでもしいたげられていた。

  上記三体のアニマルライドとは少し離れたところにいすのライドがあった。なぜいすなのかといぶかしがって近寄ってみたところ、なんとかばが口をあけたデザインになっているではないか。思わず座ってみたくなるこのライド、職人の一点ものなのか、大量生産用の型があるのか非常に気になる。かば臭を思い浮かべながら座るのも一興だろう。個人的には牙を省略してほしくなかった。

●ハウス登場

  そしてキン肉ハウスの登場だ。正面から見て顔っぽいデザインをしていることがポイントだ。入ってみたくなるが、入って何をすればいいのかわからないところも趣深い。屋根がちょっと左にずれて取りつけられているのも、それがおそらく意図的ではないであろうことを含めて、味がある。また、周囲に大きめの石がごろごろ転がっているのも、「ぶつけて遊べ」と言われてるいるようで、器物破損を欲情される。

●人が住むには不適

  キン肉ハウスはあっても、ダンボールハウスはない。同じ規模の公園が都内にあったら、必ず住人がいると思われるが、そういった人は見当たらない。周囲の発展状況からして、食料調達などに不具合が生じるからだろう。なんでもいいからマスクをかぶり、キン肉ハウスで体育座りをするにとどめておくが吉だろう。(99/04/03)